国会会議録
消費者庁関連3法案
2009年 5月 22日(金曜日) 00:00
○藤本祐司君 民主党の藤本でございます。
今日は、四名の参考人の皆様方には、朝からそこに座っていただいて五時までお付き合いをいただくということで、大変な長時間でございまして大変申し訳ないなというふうに思う反面、是非、この際ですから忌憚のない意見を申し述べていただければというふうに思っているところでございます。
今日は四名いらっしゃいましたので、それぞれに関連した質問をさせてもらいたいと思っておりますが、下田先生や前川先生、そして私、三番目でございますので、三人ともパターンが多分違うかと思いますので、今日は、私の場合はできるだけ参考人の方々にも御発言いただけるようにしたいと思っておりますので、よろしくお願いをしたいと思います。
まずは、市川正子参考人の関連で質問をさせていただきたいと思いますが、今日、ここの委員のメンバーは御承知のとおりだと思います。あの二〇〇六年六月三日の、シンドラー社のエレベーターによって息子さん、大輔さんを失われたということで、その間三年間、もうあっという間の三年間だったのかなというふうな思いがするわけなんですが、せっかくの機会ですので、私の持ち時間が今日の中で一番多いということもございますし、冒頭でございますので、今、市川さんの活動の状況であるとか、こういうことを要請したいんだということを概略お話しいただければというふうに思います。
お願いいたします。
○参考人(市川正子君) 市川です。
本日は、消費者問題特別委員会において、エレベーターの事故について発言する機会をいただきまして、議員の皆様に心から感謝いたします。ありがとうございます。
実は、昨日から緊張して眠れませんでした。三年という長い時間活動していますが、今までで一番緊張しています。でも、見方を変えましたら、私たちも含めて、議員の先生方はみんな同じようにエレベーターを使っているんだと、同じようにエレベーター利用者だというふうに考え方を変えましたら、胸の中ですとんと何かが落ちる気がしまして、私は、この場で本当に議員の皆様に更に御理解いただければなと思って、今日は来ました。
平成十八年六月三日です。正直言って、私たち家族にとってこの三年間は一歩も進んでいません、時間は。気持ちも進んでいません。はっきり言えるのは、息子を返していただきたい。なぜ、いつものように使う、身近にあるエレベーターで命を奪われたのか。
それが、ずっと一年間、私がだれとも話ができないような状態になったときに、息子が通っていた小山台高校の野球班の同級生から、あれだけ不具合があったのにもかかわらず、なぜ調査がされないのか。息子はいっちゃんと呼ばれていましたので、なぜいっちゃんが命を奪われたのか、なぜ扉が開いたまま動いたのか、おかしいじゃないか。エレベーターはみんなが使うものであって、だれにでも起こり得る。もしかしたら家族かもしれない、もしかしたら友人かもしれない、もしかしたら後輩、先輩かもしれない。だれにでも起こり得る事故。これをなぜ行政は調べてくれないのかと皆さんが憤りを感じて、市川さん、私たちなら署名は一緒に集めることができるからという声の下に赤とんぼが結成されて、二〇〇八年の一月に、吐く息が白い中、街頭に立ちました。そして、十六万という署名を国交省に、検察庁に十五万、警察に十五万提出しています。
それからもう三年ですね、事故が起きてから。でも、いまだに息子の命を奪ったエレベーターの事故の原因はどこからも説明されていません。もちろん謝罪もありません。この三年間を一言の言葉で言うならば、家族は疎外された場所にずっと置かれてきたという気持ちです。現在は、署名も国土交通省に向けて集め続けています。
それからあとは、民事裁判が始まっていまして、そこに息子の同級生、後輩、先輩、中学校の同級生ですね、若者が裁判を傍聴しています。その傍聴している若者に分かりやすいように、私たちの弁護を受けている先生方が協力していただいています。十六万という署名は、数で見れば十六万という署名なんですが、すごくたくさんの若者がかかわっています。
以上です。よろしくお願いします。
○藤本祐司君 ありがとうございます。
細かな質問につきましてはまた同僚の議員が聞かれると思いますが、市川さんの幾つか新聞とかいろんな記事とか読ませていただくと、このエレベーターの安全問題を調べているうちにやはり消費者庁の必要性を強く感じたというふうにおっしゃっております。
そこで、野田大臣と、あと修正案提案者にお聞きしたいんですが、もしこの事故が起きた当時消費者庁が設置されていたら、あるいはこの事故が消費者庁が設置された後に、こういう事故は起きてはいけないことだと思いますが、起きてはいけないことなんですが、起きたとしたら何が違った、今とは違う展開にどうなっているのかということを、消費者庁が設置されたらどういうふうな展開になっているのか、あるいは消費者委員会が設置されると、今の市川さんがおっしゃった状況がどう変わるのかというのをお答えいただければと思います。
○国務大臣(野田聖子君) まず初めに、市川さん、本当に心からお悔やみを申し上げますし、市川さんが活動していただいたおかげで、多くの皆さんの御共感をいただいて、消費者庁の法案が国会で審議されているということを是非とも息子さんにお伝えいただければなと思っているところであります。
まず、消費者庁ができたらという話であります。
今回のエレベーターの事故のような問題が発生した場合に、消費者の安全、安心を確保するため政府一体となった迅速な対応を行うに当たり、消費者庁が中核的な役割を果たすことになります。
具体的には、消費者安全法等に基づきまして重大事故等に関する情報として、情報の一元的集約ルートをたどって事故情報が地方公共団体、国土交通省等から消費者庁に直ちに届けられることになります。そして、消費者庁は集約、分析された情報を消費者に分かりやすい形で公表して注意喚起を速やかに行うこととなります。消費者庁は緊急対策本部を開催することとなり、国土交通省や警察庁等の関係各省間の間で緊密な連携協力及び情報共有を図り、当該省庁に対し事故の調査や事業者への行政指導を含めた迅速な対処等を促すことになります。必要な場合には、建築基準法に基づく地方公共団体による違反建築物是正のための措置がとられるよう、国土交通大臣に対し、地方自治法に基づく技術的な助言又は勧告を速やかに行うよう消費者安全法に基づき措置要求を行います。
また、消費者委員会の方では、消費者庁や国土交通省において適切な対応が取られているか等についての審議等を行った上で、必要に応じ建議等を行うことが考えられます。
ちなみに、市川さんのこの事故が起きたときに、自民党では調査会を開きまして、そのとき市川さんからお話を聞きました。残念ながら、そのときは国土交通省、警察、それぞれ担当しているはずの役所から何らコメントがいただけない状況でありましたけれども、消費者庁ができた暁には、まずは消費者庁がすべてのことに対して司令塔的役割を担うということで、そこで速やかに緊急対策会議が開かれて、どういうことが行われているかということについては、捜査の邪魔にならない、秘密なんかが問題にならないところではしっかりと情報共有が図られていくことになる、そういうことになっていくと思います。
○衆議院議員(園田康博君) ありがとうございます。
まず、私からも市川さん、御遺族の方には心よりお悔やみを申し上げたいと思っております。
衆議院の審議の段階におきましても、やはりこのシンドラーエレベータ社の問題、そしてそれに対する行政機関の対応の遅れ等々が大きな問題となりました。したがいまして、これをいかに迅速に、かつ情報を収集し、さらにそこからまた捜査を含めて対応をしていくべきではないかというところから、今、野田大臣からもお話がありましたけれども、消費者庁の設置とともに、それだけではなく、更に消費者委員会というものを機能させていく。
そして、行政が行うことができないということ、なかなか捜査が進まない、あるいは情報がなかなか表に出てこない、対応が難しいのではないかという形になって時間が経過をするということがあってはならないわけでありますので、それをやはり言わば外からのといいますか、そういった民間の方々が入っていただいた上で消費者委員会がしっかりとその役割を果たしていくと。
それがやはり重要なものではないのかというふうに思っておるところでございまして、まずその消費者委員会の位置付けにつきましては、与野党の修正合意に基づきまして内閣府本府に置かれる機関となり、また、消費者庁と並び立つ独立性の高い機関という形で位置付けさせていただいたところでございます。
加えて、自らまず調査審議を行って、必要と認められる事項につきましては内閣総理大臣等に対しまして建議すること、そしてその所掌事務に掲げたことに加えまして、内閣総理大臣に対して消費者被害の発生又は拡大の防止に関して必要な勧告を行うとともに、その勧告に基づいて講じた措置について報告をまず求めることができるというふうにさせていただいたわけでございまして、それを言わば法律上明確に規定したわけでございます。
消費者委員会は、その消費者事務を遂行するためには、必要がある場合には関係行政機関の長に対して資料提出要求等も掲げられておりますので、そういった監視、消費者政策の監視全般を実効的に行うための様々な工夫をこの修正案の中に盛り込ませていただいたところでございます。
以上を前提といたしまして、この原因究明が遅れているシンドラーエレベータ事故のような事案、これに関しましては、やはり消費者委員会において調査審議を行い、そしてその結果、原因究明を行うべき行政機関、この場合は国土交通省という形になるんでしょうけれども、その行政機関が適切にその職務を行っていないと考えられる場合におきましては、捜査当局に遠慮することなくこの当該機関に対して資料の提出要求等を行うと、そして内閣総理大臣に対しましては速やかに調査し原因究明を行うべき旨の勧告をするという形、これがこの消費者委員会の役目というふうに期待をされるわけでございます。
さらに、付言をさせていただきますれば、資料提出要求等に対しまして、各行政機関が速やかに委員会の求めに応じて対応すべきということと、それから、委員会の建議、勧告に関しましては各行政機関の長等は迅速かつ誠実に対応すべきこと、これは衆議院での附帯決議の六番目、七番目にも盛り込ませていただいたというところでございます。
○藤本祐司君 要するに、市川さんのいろいろな訴えを総括的にポイントだけ絞ってしまうと、原因究明がなされていないじゃないかと、この原因究明がなされないと再発防止にもつながらないと。それとあと、謝罪もないというお話がありました。これは責任の所在が明確でないということなんです。
野田大臣にちょっとお聞きしますが、端的にお答えいただきたいんですが、消費者庁ができたら原因究明が早く進むのか、あるいは責任の所在が明確になるのか、この二点、なります、なりません、そこだけでいいですから教えてください。
○国務大臣(野田聖子君) まず、繰り返しになりますけれども、消費者庁ができましたら、もしこのような事件が起きた場合、速やかに緊急対策本部をつくって担当の役所を集めて連携を取る、情報共有なんかの連携を取ることになるわけですけれども、そこでまずは調査や事業者への行政指導を含めた迅速な対処を促すことをするわけです。
こういう取組を通じまして、さっき申し上げたけれども、捜査や様々な調査の秘密なんかはきちっと配慮するわけですけれども、原因究明を含めた捜査に当たる警察との連携協力や、行政目的で調査に当たる国土交通省になるわけですが、これは政府全体として迅速な原因究明を図るよう適切に対応します。
今御答弁ありましたように、消費者委員会というのは、まさに併せて原因究明に向けた取組が適切に行われているかどうかについて審議をしていただいて、その上で必要に応じて建議をしていただくということで、原因究明については、今まではもうできていませんでしたから、それをできるように進めていくということになります。
○藤本祐司君 市川さんにちょっと感想で結構なんですが、今長々と答弁されましたが、いろいろと、それで御懸念が払拭されますでしょうか。消費者庁ができて、ああ良かったな、これから同じような、まあ良かったなというのは言い方がおかしいと思いますが、同じような事故が起きないということに一歩前進するというふうにお考えになりますか。端的、正直にで結構です。
○参考人(市川正子君) あの事故が起きたときに、これは行政の縦割り、行政のすき間に落ちたというふうに言われたんですね。すき間って何だろう、行政にすき間なんかあるのかというふうに思ったんですね。私、事故が起きたらすぐに原因究明調査されると思っていました。それも警察の中でしてくれる、悪いことをしたら警察がすべて事故も刑事責任も全部やってくれると、あの事故が起きるまでずっと思っていました。
でも、この三年という時間は、捜査と調査は違うんだということを三年の中で私自身が分かりました。そういう目で周りを見ましたら、事故の調査機関がないわけです。もし事故が起きたときに事故原因究明調査機関があったならばこんなには時間が掛からず、息子の事故の後にも戸開走行という事故が起きています。そういう事故に少しでも再発防止の一つにつながる結果が出せていたんじゃないかというふうに思います。
更に考えますと、事故原因究明とは何かというふうに何度も自分の中で考えます。事故の本当の原因を明らかにする、本当の原因を明らかにするということは正しいことを公表してみんなに危険を知らせるという、そういう事故の調査機関でなくてはならないというふうに思いました。
そういう目で、今の国土交通省の中の昇降機事故対策委員会、それから消費者庁というものを見ました。
消費者庁、本当にやっと消費者の声を代弁する場所ができた。これは正直言って、本当に三年の中で、どこにも訴える場所がなく、どこも聞いてくれず、皆さんから言われるのはすき間事案だと、こういうものは時間が掛かると言われてきました。こういうことが二度とないように、やはり消費者庁の中でやっていただきたい。それと別に、やはり事故の調査機関は、各省庁の影響を受けない場所に原因究明調査をする場所をつくっていただけたならば、昇降機事故対策委員会、国土交通省の中で二月にできましたが、いまだに私の中での疑問、なぜ息子は命を奪われたのか、何が原因なのか、いまだに分かっていません。
済みません、よろしくお願いします。
○藤本祐司君 ありがとうございます。
今後、これからまたいろいろと質問があろうかと思いますので、私は、この件につきましてはこのぐらいにして、次の質問に移りたいと思います。
次は、佐野参考人に一度来ていただいて、そのときお話を伺ったわけなので、そのときのポイントでやはり一元化という話をされたと思います。
期待される一元化は、いわゆる行政機関の一元化、相談窓口の一元化、情報の一元化と、その三点を挙げられたと思うんですが、消費者の立場からすると、何か不具合があった、何か問題があったときに、さあ、どこに相談したらいいか分からないというのが本当のところなのかなというふうに思います。
私なんかも、多分何かあっても、さあ、これどこに言おうかと。何か、例えば電化製品だったらお客様相談窓口みたいなところに電話をまずはしてみようとか、そういうところが多分一般的なんだろうというふうに思うんですが、今回、これで消費者庁ができて、消費者の相談窓口が一元化をするということになると、何でもかんでもそこにまず聞いてみたらいいんじゃないのかなというふうに思うのかな、一般的にはですよ、思うんではないかなというふうに考えられるんですけれども。
その中で、だれもがいつでもアクセスしやすい相談窓口ということをキャッチフレーズというか、アピールしているわけなんですが、野田大臣は、全国共通の電話番号にして、携帯電話であろうと固定電話であろうといずれからも同じ番号に統一すると、あるいは相談窓口を三百六十五日、二十四時間体制にするんだというふうに言われているんです。
例えば土曜日の九時に、九時でも十時でもいいんですけれども、何か相談したいということが生じたときに、二十四時間、三百六十五日ということになれば、どこかへ相談できることになるわけなんです。私もだんだん最近記憶力より忘却力が勝ってきてしまうので、忘れてしまうので、そのとき話をしよう、そのとき電話しようというふうに思うと、そこで二十四時間、三百六十五日対応だということであれば、そこの統一された電話番号に電話をすると。
じゃ、その電話をしました。どこが受けてくれるんですか。どこにつながるんでしょうか、その電話というのは。
○国務大臣(野田聖子君) 消費者にとってだれでもすぐに分かる窓口をつくらなきゃいけないというのが、もう消費者庁をつくることよりも大事な仕事だと思っています。
地方に住む人たちが何があってもすぐ対応できる場所、それはセンターであったりするわけですけれども、一番やっぱり身近な窓口というのは電話の相談ではないかと思っています。そういうことを踏まえて、これから共通電話というのは、地方消費生活センター及び国民生活センターにその共通の番号を持った窓口を置くということにしております。
○藤本祐司君 ということは、私が土曜日の九時に電話をしたら、それはその地域の消費生活センターにつながるんですか。
○国務大臣(野田聖子君) 今それは計画しているんですけれども、ナビダイヤルを使いまして、今、残念ながら全国一律それをやっているわけではありませんし、やっているところとやっていないところの差がばらばらなので、極力皆さんがそうやってやっていただけるようになればいいんですが、まだ足腰の弱いところは無理なので、それはナビダイヤル等を使って、ICTの技術を使ってどこかにつながるようにしていくという、そういう今計画をしているところです。
○藤本祐司君 つまり、どこかというのは、自分の地元のところではなくてもどこかのセンターにつながって、まずは第一次相談ができるようになると、そういう解釈ですよね。
そうすると、じゃ訪問する場合は、要するに、行って説明しないといろいろ分からないというのは結構あると思うんですよ、細かいことは。そうなってくると、そのときはやっぱり二十四時間、三百六十五日対応ではないと解釈してよろしいんですか。
○国務大臣(野田聖子君) 最初はまず電話でやり取りがあって、ではお出かけいただいて対面で相談しましょうということになると思いますが、常識的に考えて夜中の二時、三時に相談をするとかいうことはまああり得ないので、そこら辺は、やっぱり地域地域の事情がありますから、基本的には地域でしっかり地域の実情に応じた地方消費者行政をつくっていただきたいという願いがございますので、そこら辺はお任せしたいと思いますが、極力やっぱり土日は開いていただきたいなということでお願いはしていきたいと思っています。
○藤本祐司君 そうなると、やはり相談員の数も相当増えてくる、増やさざるを得ないんだろうというふうに思うんですけれども、これ今、まあ何人ということ、なかなか言いにくい部分があろうかと思いますが、実際には、現在からどのくらい増やさないといけないというような何か想定あるいは検討はされているんでしょうか。
○国務大臣(野田聖子君) 何人というのは、国がその数値目標を作るのではなく、基金を通じてやはりそれぞれの地域の実情に応じて相談員さんを増やしていただくという形を今取っておりますので、私の方からはその数について申し上げることは適当ではないと思います。
○藤本祐司君 いずれにしましても、相談員を右から左に、じゃ増やそうといっても増やせるわけではないんだろうと思いますね。これは、いわゆる教育もしなければならないし、すぐに右から左に、一年もやらない方がベテランの相談員になることはなかなか難しいだろうということなんだろうと思うんですが、前回の参議院の公聴会で発言をされた兵庫県の消費者生活相談員の方がおっしゃっていたのに、相談業務で一番大切なのはセンサー機能だと、センサー機能。要するに、これは何かおかしいぞということがやはり分かる、ぴんとくるというんですかね、勘どころというんですかね、それが大変重要だというふうにおっしゃっておりまして、その方は、八年やった経験で、五年は掛かるというふうに言われたんですね。
〔委員長退席、理事岩城光英君着席〕
一般的に考えると、いわゆる消費者庁ができて一元化されましたよというと何でも消費者庁に取りあえず聞いてみようという方が増えるので、今よりも多分件数としては増えるんじゃないかなというふうに想像するんです。そうなってきたときに、それに対応することというのはなかなか相談員も難しい、そこをどうやって増やしていくのかという教育の問題なんかもあるんだろうというふうに思いますけれども、それについてどういう形で増やしていけるか、やはりこれは活性化基金で、地方は地方でお願いしますよという、そういう発想なんでしょうかね。
○国務大臣(野田聖子君) やはり、多くの人たちに周知徹底して消費者被害を減らすというのが今回の消費者行政の大きな目的ですから、御相談が増えて、そして御相談を受けてあっせんがあって事片付くと、そしてそういう事例の積み重ねでほかの消費者被害を未然に防いだり拡大を防止することができるということが本来の目的でありますので、いろんな方がアクセスしていただいて数が増えるということは、ある意味ほかの被害も抑え込むことができるということで、極力すべての相談に応じていかなきゃならないということを思っています。
ですから今よりは、番号が分からない、場所が分からないという地方の消費者行政になっていますので、そういう意味では番号が統一されたり、そして消費者庁を通じて、基金とか又は交付税によって消費者行政頑張ってくださいというふうにお金をずっと補正からやっておりますので、各地域でPRをしていただけることになるので、身近に触れる機会が増えることによって多くの人たちが利用していただけることになると思っていますが。
やっぱり問題は、一つにはそこで働く人の実力ですよね。これにつきましては、今まさに頑張っていただいている人たちは、これまでちょっと予算が足りないということで、お金がないということで、様々な研修も受けることができなかったと聞いています。そういうものについてはしっかり基金等で手当てをさせていただこうと思っていますし、あわせて、この集中育成期間、この三年の間でやはり育てていきたいという思いがありますので、新人の皆さんには、いわゆる実学ということで、それぞれの消費生活センターに勤めていただく中で実学で相談を受けることで学んでいただく、そういう費用も持たせていただく。さらには、それでも足りない場合は、国民生活センターの方でいわゆるスーパー相談員みたいな人たちをあっせんして、そういう人たちのフォローアップをしていくということをやっていかなきゃならない。
〔理事岩城光英君退席、委員長着席〕
いずれにしても、もう先生御指摘のとおりで、多くの人たちに利用していただくことによって消費者行政が活性化されますから、それに見合うだけの相談員の育成というのはこの三年間で一番大切なことだと思っています。ソフトとあとハード両面、やはり衆議院の審議の中でも、とりわけ仙谷先生始め、もっとやれもっとやれということで、この補正予算にも上乗せをしていただいておりますので、そういうのを十二分にやっぱり地方においてしっかり活用していただくよう、こちらからも適切な指導をさせていただきたいなと思っています。
○藤本祐司君 多分、相談事って想像しないようなびっくりするようなことが結構消費者問題として出てくることがあるんじゃないかなと思います。
実は、ちょっと一つの例なんですが、これ本当の例でびっくりしましたけれども、ある患者さん、患者さんって、花粉症でお医者さんにかかったんです、花粉症。普通の花粉症です、特別な花粉症じゃなくて。そうしたら、何と処方された薬が十二種類あった、十二種類。十二種類の薬を飲んだら、ぼうっとしてふらふらになって何をやっていいか分からなくなってそのまま寝ちゃったという、そういうのがあった。このとき、じゃどこに相談したらいいのかと。処方をしてくれたお医者さんはそれでいいというんだからそこに言っても多分しゃあないでしょうと。薬局に言ったら、処方せんどおりに出しましたよといって、しゃあないでしょうと。これ、できないわけですよ。
それで、こういうときに、じゃ消費者庁でこれ対応できるものなのでしょうか。例えばこういうものが来たときに、これはどこですよという的確な判断をして、ここに聞いてくださいとか、そういうふうに振り分けなきゃならないわけですよね。これって相当、私、難しいんだと思うんですけれども、例えば今のような事例の場合は消費者庁では対応できますか。
○国務大臣(野田聖子君) 消費者庁というか、消費生活センター等々窓口では、基本的にはすべて相談を受けたらお受けするということですが、専門性の高いものに関しては、やはりそれぞれの省庁が専門家を擁しておりますので、そこに対して、消費者庁というよりも相談員が直接そのあっせんをするのか、又はかなり専門性が高いものに関しては、そこを通じて間違いのない窓口に誘導するということはこれからしていくことだと思っています。
○藤本祐司君 大変難しい多分相談が出てくるんだろうなというふうに思いますので、そういう意味では、相談員の方が相当ストレスになってしまって、大体、例えばいろいろな電話を受けて、相談、苦情とか受けるようなコールセンターなんかも結構定着率悪くて、商品の説明するんだったらいいんだけれども、苦情を受けるといったらもうどんどんどんどんストレスで辞めていっちゃうという、そういう状況になりますので、こういう一元化、簡単に言うけれども、実際には相談員の方は相当大変な心労になるんだろうなと。そこのところをきちっと教育して、教育というのか、OJTも含めてやっていかないとならないというのは、相当のコストと時間は掛かってくる、そこはやっぱり覚悟してやっていかないといけないんだろうと思うんですが。
佐野参考人にお聞きしたいんですが、この間、我々の委員会で事故情報関連の収集・提供体制について御指摘をされているんだろうと思います。
消費者安全法で消費者庁にその情報が収集され、対応措置がとられるという仕組みになって、修正案では、国及び地方公共団体の責務として消費者事故に関する情報開示が追加されたわけなんですが、この点を踏まえまして、今後の課題として佐野参考人は幾つかの課題を提示されていると思うんですが、この課題、具体的にどのような課題があるというふうに御認識されていますでしょうか。
○参考人(佐野真理子君) 消費者庁にとって事故情報の一元化というのは非常に大きな柱だと思っていまして、これからどうやっていくのかというのは非常に困難な部分もあるかと思います。
まず、重大事故に関してはきちんと報告するようにということになっていますが、軽微な事故をどうするのかというのがまだはっきりしておりません。私たちにしてみれば、やはりきちんと報告をしていただいて、消費者庁がまたそれをきちんと消費者に情報提供するという、それでこそ事故の未然防止につながるのではないかなと思っております。
ですから、そこの部分をどうやっていくのか。範囲も非常に広く、消安法なんかは要するに日用品だけですので、そこに食品が入ったり遊具が入ったり、いろいろなものもしますので、そこをどうやったらうまく情報が集められるか。そして、それをどういう形で消費者に提供すれば、それがうまく事故の未然防止につながるかというのをもう少しきちんと検討していく時間が必要だと思っています。
それで、情報提供をしただけでいいのかというのは、またそれは違うわけでありまして、本当にその情報が必要な人のところに届くのかというのがやっぱり一番の問題でありまして、そこは私は地方の消費者行政の担当者の方にきちんと受皿をつくっていただきたいと。もちろん行政組織だけではなく、介護していらっしゃる方とかいろいろ、民生委員の方でもいいですし、町会の方、いろいろなところにやはりいただいた情報をきちんと発信できるような形も、またそれも必要かと思います。それは、もちろん各自治体で、それから消費者団体も各地方におりますし、住民の方それぞれが集まって検討しながら決めていくことかなと思います。
とにかく一つに集めて、それをきちんと情報を提供して、そして受皿をつくって、さらに細かく必要なところまで流していくというのが重要かなと思います。
○藤本祐司君 重大事故以外の軽微な事故ということ、これは事業者の判断に任せられているわけなんですが、軽微と言ってはなんですが、先ほどのシンドラーのエレベーターの事故も重大な死亡事故が起きる前に幾つかの不具合な事故があったわけなんですね。それがないがしろにされていて、結果としてそういう大変不幸な出来事が生まれてしまったということになるんです。
ただ、重大な事故が起きるまでに事業者が情報を開示しないということもありますね。要するに、事業者は分かっているけれども、これ大したことないよということで表に出さない、あるいはこれを隠し続ける、隠ぺいするということ。それはだれにも逆に言うと分からない、知れることができないわけです。集めるということは重要なんですが、それが本当に集まるのかどうかというところが大変問題で、そのまま時が過ぎていってしまって大きな事故につながると。
ですから、重大な事故以外に関する情報については情報収集、分析、あるいはその提供、公開というところが非常に重要なポイントになると思いますので、野田大臣と、あと修正案提案者の方にこの重大事故以外の軽微な事故の開示、この点について御見解をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(野田聖子君) 消費者安全法案の中にあるわけですけれども、第十二条の第二項には、重大事故等に関する情報に限らず、地方公共団体等が、消費者事故等が発生した旨の情報を得た場合であって、被害が発生又は拡大するおそれがあると認めるときは、消費者庁に情報を通知することを義務付けています。
また、第十五条の第一項になるんですが、消費者安全法案、重大事故等であるや否やを問わず、消費者事故等の発生に関する情報を得た場合であって、消費者被害の発生又は拡大の防止を図るため消費者の注意を喚起する必要があると認めるときは、消費者被害の発生又は拡大の防止に資する情報を公表することとしているところです。
ですから、重大事故に該当しない、今お話がございました比較的軽微な事故につきましても、必要に応じて消費者庁に情報が集約されて、消費者安全法案による注意喚起の公表対象ということになり得ます。
また、今消安法の話もありましたが、これから消費者庁が所管することになります消費生活用製品安全法上の消費生活用品に起因して生じた事故であって、報告義務の対象とならない非重大製品事故につきましても、現在、NITE、独立行政法人製品評価技術基盤機構、これが事業者から任意の報告を受けるなどの情報収集を行って、その内容を公表しているものと聞いております。消費者庁の創設はもちろんですが、NITEとの連携を強化していくようになっていきます。
さらに、これらの消費者庁等による積極的な情報開示に加えて、行政機関の保有する情報の公開に関する法律があります。これに基づいて開示請求がなされれば、消費者庁としてはこの法律にのっとって適切に対応することとなり、これらの制度が様々相まって適切な情報提供・開示がなされるものと今考えているところです。
○衆議院議員(園田康博君) 委員の御指摘はごもっともでございまして、やはり二つの観点からこの課題を考えていかなければいけないというふうに思っております。
第一点目は、やはり重大事故以外の事故情報について、これについてどのように一元化、そして集約していくのか。そして、そもそも重大事故か否かにかかわらず、委員御指摘のように、言わば従業者が隠匿するような情報をどのように集約、収集していくのかということだろうと思っております。
御案内のとおり、先ほどのシンドラーの事故でもそうでありますし、また六本木で起きた自動回転ドアの事故でもそうでありましたけれども、やはり重大事故が起きる前に必ずその前兆となるような事故等があるわけでございまして、やはりそれを素早く収集していかなければいけないというふうに考えておるところでございます。
民主党が衆議院に提案をさせていただきました権利院法案におきましては、行政機関に対しましてありとあらゆる情報をまずは報告すべし、権利官に報告すべしという形の法形式を取らせていただいておりました。しかしながら、修正協議等々を加味させていただきまして、行政機関に対してでもそういった過大な負担を掛けてしまうのではないのかと、報告義務を課すということは現段階では少しまだ難しいというふうに考えた次第でございまして、これにつきましても今後の検討課題であろうというふうに思っておるところでございます。
そして、消費者安全法案の附則の検討事項の中でも、そこの部分は、政府は、この法律の施行後三年以内に、消費者被害の発生又は拡大の状況その他経済社会情勢等を勘案し、消費者の財産に対する重大な被害も含め重大事故等の範囲について検討を加え、必要な措置を講ずるものという形の附則条文があるわけでございまして、これによって三年以内にしっかりとした検討がまず加えられなければならないというふうに思っておるところでございます。
さらに、委員御指摘の二点目でありますけれども、隠匿の事故情報の収集に関しましても、野田大臣からも答弁がございましたけれども、場合によってはその資料の提出要求権限などを適切に行使するということによって事業者の持つ事故情報を集約することが可能となる、そして個別法においても、それをまた消費者庁あるいは消費者委員会、ここからの建議に基づいて様々な案件を見直しをしていくということが考えられるというふうに思っております。
○藤本祐司君 簡潔にお願いします。
それで、最後に一点だけ、その情報公開について、情報についてお聞きしたいんですが、結局消費者庁に集まるわけですね、すべてが。集まるという前提でやっているわけなんですが、集まった情報を公開するのは、右から左にすべて来たものをそのまま自動的に公開されるわけではないだろうと。
そうすると、消費者側からすると、欲しい情報というのを公開してくださいという話になると、これはいわゆる情報公開法の開示手続を取る必要性が出てくるだろうということになれば、必ずしもすべての情報を開示する、公開されるわけではなくて、公にすることでその法人なんかが、あるいは個人が不利益を生ずるような場合にそれは公開できないと、あるいは黒塗りになってしまうということは起こり得るという解釈で、当然情報公開法上そうなっていますので、そうなるということで認識をしておけばよろしいんでしょうか。
○国務大臣(野田聖子君) 先ほど申し上げたとおりなんですけれども、適切に対応していくということ、法律にのっとって適切に対応するということになります。
○藤本祐司君 ありがとうございます。
それでは、ちょっと時間もどんどん押してきてしまいましたので、次の質問に行きたいと思いますが、今度は中村参考人に関連しまして、中村参考人に関連するというのも変ですけれども、質問させていただく場面になろうかと思いますが。
この間、日弁連の消費者行政一元化推進本部の事務局長の石戸谷弁護士にお越しいただいたわけなんですが、そのときにやはり気にされていたのが、いわゆる消費者委員会の事務局体制なんですね。ここのところを大変気にされていて、証券取引等監視委員会の例であるとか、あるいは公取の例であるとかを出されていたかというふうに思います。
二か月前の衆議院の特別委員会でも、実際にこの事務局については今後検討していくというようなお話があったんですが、二か月たちましたので、その後設立準備室もでき上がって立ち上げているというふうに聞いておりますので、野田大臣にちょっとお聞きしたいんですが、この事務局、何人ぐらい、あるいは今どの程度まで作業が進んでいるのか、ちょっとお聞きしたいと思いますが。
○国務大臣(野田聖子君) 設立準備委員会なるものはまだできていません。この法律を通していただいたら多分速やかにつくらせていただくということでございまして、今のところ、ですから、まだ確定的なことは何も申し上げることはできません。
○藤本祐司君 じゃ、この人員についてもまだこれから検討するということであって、まだどのぐらいの事務局でやったらいいのかというのは決まっていないという認識でよろしいですね。イエスかノーかだけで結構です。そうならそうだでいいです。
○国務大臣(野田聖子君) 確定しておりません。
○藤本祐司君 じゃ、中村参考人にお聞きしたいんですけれども、恐らく御懸念されているのは、今後の作業のあるいはスケジュールであるとか、いつぐらいまでにという話等があるんだろうと思いますが、この間、石戸谷事務局長が参考人でいらっしゃったときに、三十名ぐらいかなというようなお話がされていたと思います。
ただ、その中で、実際にはもう本当にたくさんの業務があって、そんな少ない人数ではなかなかできなくて、かなり人数、質的にも量的にも必要だというような話があった中で三十名ぐらいというお話があって、私は、公取であるとか証券取引等監視委員会の三百名とか七百名とかという話を聞いて、三十名というと、あれ、けたが違うのかなと思ったんですが、三十名というふうに言われたその根拠といいますか、その辺はどういうふうにお考えになっていらっしゃったんでしょうか。
○参考人(中村雅人君) 実は、この消費者委員会というものが担うべき役割というのを私たち抜き出してみたんですね。関係法案三つの中に書かれている任務、物すごく広い。要するに、もう一つ消費者庁があるのと同じぐらい必要なんです、やることが。
そして、附帯決議の中にも二十三項目のうち十一項目が消費者委員会について触れられていて、例えば、地方消費者行政の問題で大変議論されましたが、今後三年程度の集中育成・強化期間後の国による支援の在り方や、消費生活センターの設置、相談員の配置、さっき人数聞かれていましたけれども、そこまで考えろと言われている。処遇が、望ましい姿について、その工程表も含めて消費者委員会で検討することと、ぽんとこれ投げられている。これだけやるだけでも大変な作業が要ると思うんですね。
それから、所管する法律が二十九本ないし三十、それから今後検討しなきゃならない法律が、所管、移管するかどうかを含めて検討する法律が四十三本ほどあると、こう言われていて、それらをじゃ何人の事務局で担当できるのかということを考えたときに、一人二、三本の法律を所管するにしても最低は三十要るだろうという、そういうカウントをしておりますが、これは絶対三十で足りるというものじゃなくて、常勤的に事務局に入られる方は少なくともそのくらいプラスアルファ要る。だけれども、さらには、非常勤などを含めて、それこそ証券取引等監視委員会に勝るとも劣らない規模でやっていただかないと到底賄えない。それほど大きな任務をこの消費者委員会が衆議院の修正で担わされているということでありますので、そこを十分踏まえて野田大臣にも今後の検討に当たっていただきたいと思っております。
○藤本祐司君 少しこの件でもお聞きしたかったことが一点あるんです。その一点だけちょっとお聞きしますが、その消費者委員会の委員の人数なんですね。これ、元々十五名以内というふうにされていたのが修正案で十名になりました。機動的に動かすためには十名以内ということで修正されたんだと思いますが、これ、済みません、全く通告しておりませんが、なぜ十名以内だと機動的で十五名だと機動的じゃないというふうにお考えになったんでしょうか。
○衆議院議員(仙谷由人君) 私自身の考え方でもありますが、船頭多くして船山に登るというのが、往々にしてこの官庁組織というか官僚組織が関与をしたらそういうふうになると。結局のところは、事務局がペーパーを書いて、はい、おしまいと、こういう審議会が余りにも多過ぎるというのが、これはもう世間の常識になっておるわけでありますが、実際に仕事をしようとすると、少なければ少ないほどいいとは思いませんけれども、その仕事に応じたやっぱり適正規模というのが何となくあるのではないかと。
私どもの感覚では七人ぐらいがいいのではないかというふうに、七人とか五人がいいのではないかと、委員はですね。その下に専門委員とかなんとかが付く場合がありましょう。特にこの消費者問題は、極めて幅広く、さっきから問題になっていますように、物すごく専門性の高い分野とか複雑な分野というのがありましょうから。それはその都度なのか、常設で専門委員をお願いするのかというのはまた別途の問題です。さらに、事務局の問題もそれに応じてやっぱり機動的に、特に感度のいい動きのできる委員会にしなければ、せっかくつくった委員会の本来の趣旨、使命が果たされないと、こういうふうに思っておりまして、実は内幕を言った方がいいのかどうかは分かりませんが、我々の方は本当に五名とか七名とか修正協議で申し上げたと思うんですが、まあそんなことにしないでよと言うので、これは多分最終局面で船田委員長の裁定で十人ということになったと思います。その船田委員長の裁定をお受けしたというのが実情です。
以上です。
○藤本祐司君 勘どころが十名以内の方がというお話、これ、実はアメリカでは実証実験をやっているんですよ。一人の委員長というかポスト、リーダーがいて、それはどのぐらいの人間に一番話が通じて、話が来て、それをまとめていられるかというような実証実験をやって、もちろんリーダーの能力にもよっていろいろ違うんですけれども、九人なんです。要するに、一人リーダーがいて九人、まあ野球みたいなものなんだと思いますけれども、ラグビーじゃなくて野球なんですね、十五人じゃなくて十人。そこがやっぱり最頻値といいますか、モードがやっぱり九人ぐらいが一番高くてというのが出ていますので、そういう意味では勘としても当たっているのかなというふうに思いました。ありがとうございました。
それでは、藤原先生、お待たせしてしまいまして申し訳なかったんですが、消費者教育、学習について、残りの時間、九分ぐらいしかないんですが、質問したいと思います。
実は私の知り合いで、中学校の卒業文集に、もう中学校といっても三十年前の中学生なんですが、今はもう五十ぐらいなんですが、将来どんな大人になりたいのか、どういう職業に就きたいのかというそういう卒業文集を作ったときに、大抵今は、大体野球の選手になりたいとか、男の子だと、サッカーの選手、これが一番、二番らしいんですが、ある女性なんですが、賢い消費者になりたいと卒業文集に書いちゃったんです。夢も希望もないのかなと思いつつも、そういう子供が、今四十九歳なんですが、そういう人がいまして、これ、実際にそういうのが残っているのでうそじゃないだろうというふうに思うんですが。
じゃ、賢い消費者って何なんだろうかと。この中で結構いろんな消費者教育の質問があって、クレジットカードの使い方、確かにそれも重要だと、契約書の読み方、確かにそれも重要だと。でも、賢い消費者というのは、多分もっともっと概念的には広いんじゃないかなというふうに思うんですが、藤原先生のお考えの、今の現場でもやられていて、要するに、生きる知恵というか生活の知恵みたいなところを持っている子供たちを育てるというのがある意味賢い消費者につながるんだろうと私は思うんですが、ちょっと御意見をいただければと思います。
○参考人(藤原和博君) 私も三十年前に中学生だった一人なんですが、賢い消費者、多分一言で言えば上手に疑える人だと思うんですね。本当は、これは地域社会というのが機能していますと、自然に地域社会の中でいろんな折衝がありますよね。例えば、昔だったら自分の遊び道具をお兄ちゃん、自分の肉親ではなくて割と乱暴者のお兄ちゃんに奪われたとか、あるいはそれをお姉ちゃん、どこかのお姉ちゃんあるいはおばさんが慰めてくれたとか、そういう地域社会における折衝、小さなだまし合いだったりあるいは失敗だったり、それを蓄積して人間というのは賢い消費者になっていくんだと思うんです。ところが、残念ながら今の子供たちはそういう地域社会を失ってしまいました。細かな失敗だったり折衝だったりあるいはちょっと軽くだまされたりみたいな、そういうようなことがどんどんなくなってきちゃっているんです。
ということは、学校で何かをしなければならないと、そのときに非常に大事なのは、これは多分、そういう教育が必要だということについては、もうここにいらっしゃる議員、多分、党派を超えてみんな一致していると思うんですけれども、ここで大事なのは、だからといって、じゃ、これを文科省に持ち込みますとどうなるかといいますと、文科省が悪いんじゃないんですよ、日本のシステムがそうなっているわけなんですが、まずこういうふうになります。
野田さんが最初に縦割り行政と言いましたよね。これが教育の行政でも起こるんです。どの教科にはめるかという話ですね。このどこにはめるかは、まず家庭科か中学社会の公民あるいは道徳というようなところになると思いますが、この三教科とももう一貫して皆さんが教育を受けられたころよりも時間数が減っています。家庭科に至りましては、今中学校で三年生までで週一こまずっと維持されません。というようなわけで、そこに当てはめるのはなかなか難しいし、そこに当てはめて、例えば前回、八日のときにこの教科書のコピーをお見せしましたけれども、これに例えば二ページで大体消費者のことが書いてあるんですけれども、製造物責任とか、これを四ページにしたところで教育効果は低いというふうに思います。まさに、教科にはまらない場合、じゃ総合でとなるんですが、その総合には国家が非常に大事に思うこと、例えば環境が大事だといえば環境教育、ITが大事だといえばIT教育、そのように、少年が事件を起こせば心の教育というふうに、どんどんレッテル付きの教育が付け加えられてきたんです。今回もそのように付け加えられたら、多分効果はありません。
じゃ、どうしたらいいかを最後に申し上げますけれども、日本の教育は基本的に小学校、中学校、高校とほとんど九割方が正解主義の教育で行われています。つまり、正解を教え込むわけですね。そうするとどんな力を失うかというと、もう皆さん想像に難くないと思うんですが、上手に疑う力、疑う技術を失っていくんですね。これを何とかしなければならない。一言で言いますと、これをクリティカルシンキングというふうに英語では言いますね。批判的な思考ではなくて、本質的な洞察力のようなものです。
つまり、テレビのキャスターはこう言っている、あるいは人気タレントはこう言っているけれども、そうじゃないんじゃないのとか、裏ではちょっと違うこともあるんじゃないのとか、そういうふうに多面的に物を考える多角的な思考ですね、複眼思考というふうにむしろ訳したいと思うんです。複数の複に眼ですね。この複眼思考を養うためにはどうしても日本の教育がそこをごそっと抜け落ちているところがありまして、まず小中学校でディベートをほとんどやっていません。そういうことから「よのなか科」という教科が、私がつくったものがあって、それを総合とか道徳で細々とやってきたんですけれども、そろそろ日本の教育の全般に、教科を限らず、国語でも社会でも理科でも、それから道徳でも家庭科でも、そういうロールプレーをしたりディベートしたりして議論するという、そういうマナーを入れていかないと賢い消費者は結果的に育たないかなというふうに思うんです。ここが非常に大事なところだと思います。
以上です。
○藤本祐司君 ありがとうございます。
それで、いわゆる賢い消費者をつくっていく、それで今先生、藤原参考人は、学校教育の中でということも一つ例にあったのだと思うんですが、これをじゃどこが司令塔としてなるのか。文部科学省でいいのか、つまり賢い消費者、この消費者庁がせっかくできたのに。これはやっぱり消費者庁が司令塔となってこの賢い消費者づくりということについての企画立案をしていくと考えてよろしいんでしょうか、野田大臣。
○国務大臣(野田聖子君) そもそも消費者教育というのはどこの役所というよりも国全体の責務というふうに思っていますので、一つの役所がそれこそ縦割りの中、消費者教育は消費者庁がやりますということではないんだと。ただ、消費者庁が中核的な行政組織になりますから、そこを通じて様々な連携を取り合って、文科省にはこういうことをやってもらいたい、例えば総務省だったら放送行政をやっていますから、今、最近テレビショッピングでいろいろとだまされたとか、そういうことを、総務省はそういうところにやっぱり許認可権がありますから、様々なやっぱり、網羅的にやることが消費者教育だと思っているので、ただやっぱり消費者庁としては責任を持って取り組んでいくということだと思います。
○藤本祐司君 要するに、もちろん教育の現場を消費者庁が持つべきだということを私は申し上げているわけではなくて、やはり全体を見ながら消費者庁が、司令塔といいますか、そういう全体のコンセプト、企画を作った上で指導をしていく、あるいは一緒になって考えていくということで、よく司令塔機能とずっと言われていましたけれども、この部分についても司令塔機能だというふうに認識してよろしいのかどうか。消費者庁が教育の現場を持てということを言っているわけではないんですが、そこのちょっと御認識をお願いします。
○国務大臣(野田聖子君) いや、司令塔というよりも、やはりそれぞれの各役所の取組というのはこれまでもありましたし、専門性を踏まえてやっぱり教育の場での取組、また金融の場での取組があるわけで、それに対しての指令というよりも応援という形が適切ではないかと。
それ以外に、国というよりも国全体ということは、別に政府だけではなくて民間企業の取組もすごく重要だと思っています。例えば、せんだってスウェーデンに行ったときに、消費者教育の話が出たときにそこの担当大臣がおっしゃったのは、スウェーデンではゴールデンの時間帯のテレビに消費者教育番組をやっていると、視聴率が大変高いときに。それで、そこの事例とかいろんな問題点とか、それがやっぱり一つの教育になっているということで、必ずしも行政だけが取り組む問題ではないというふうに認識しております。
○藤本祐司君 時間が来ましたのでこれで終わりにしますが、藤原先生にはもっと、済みません、本当は賢い消費者についていろいろ御意見をいただこうかなというふうに思っていたんですが、時間がなくなって大変申し訳ないと思います。
賢い消費者というのは、要するに、他人の言うことだけを、あるいはそういうことをうのみにしないで、ちゃんと自分で事実に基づいて自ら考えて行動に移すということの能力を持っていくということなんだろうというふうに思います。
ある実は幼児教育の専門家にお聞きしたときに、見守りの保育とか見守りの教育とかというふうに言われて、結局大人が、あれやっちゃ駄目だ、これやっちゃ駄目だと、これしろ、あれしろ、これが正しいんだというふうにやっていくと、子供はどんどんどんどん能力をそぎ落とされてしまって、それがやっぱり良くないんだと。もうぎりぎりまで、多少の失敗は覚悟しながらやっていって成長していくんだというふうに言われたので、教育の一環でそれをやっていければ賢い消費者もできるだろうということで期待を持ちたいなというふうに思っております。
どうもありがとうございました。終わりにします。
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